哭く花

しばらく1人でぐるぐると考え事をして、

暗闇の中で大事な思い出たちを噛み締める。

これが先生の家に来てからの私の日課で。

その日にあったことや、今までのこと、

幸せを積み重ねて、

月明かりではっきりと照らして、

忘れないようにと浅いところにしまい込む。

少しだけ開けた窓から、夏の夜の風が吹き抜ける。

心地よい、しあわせな時間。

ふふ、とひとりで笑った時、

軽く閉めていたドアが二回ノックされた。

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