少女マンガ的社内恋愛
でも1番ズルイのは燐じゃない。私なんだ。


常務に初めて“好き”と言われた日から1ヶ月近く経とうとしているのに、未だに最も重要な場面を見ようとしない愚かな自分。


「ただいま……」


「おーーお帰り澄鳴」


「えっ、常務!?」


仕事を終え、まるで石で出来た人形がしがみついているかの如く重い足を引きずって高級マンションに帰ると、常務が玄関に私を出迎えに現れた。


朝見かけたスーツからシャツにジーンズに着替えた常務が私より早く帰宅しているなんて、同居し始めてから初めてな気がする。


「常務、今日はどうなさったんですか?」
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