少女マンガ的社内恋愛
弓道の的を目掛けて飛んで行く矢の様な勢いのある視線に、脳内に浮かんだ様々な言い訳が次々消えて行った。


母が倒れたと言っても、お世話になりっ放しで良心が耐えられなくなったと言っても、絶対常務は“そうなのか”とはならない。


私を引きとめようというオーラを全身から放っているこの人に、私は段々心のコントロールが出来なくなって来た。


「フッ…」


私の目から涙が溢れると、至近距離にある常務の目が見開かれる。


「どうして、引き止めようとするんですか……」


「えっ?」


「わ、私がここにいたら常務、本命連れて来られ………っ」
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