まじめっ娘とイケメンくんの恋
夜中に帰ったにも関わらず
彩子さんは起きてきた。
「あっ!起こしちゃいましたか?
静かに入ったつもりだったのに・・・」
「トイレに目が覚めただけよ
今帰り?」
「はい」
「けんちゃんは?送ってくれなかったの?」
「タクシー呼んで追い返されちゃいました」
「追い返された?」
「はい・・・迷惑みたいです
相当嫌われちゃいましたね」
「嫌われる?なんで?」
「もう会うのはやめようって言われました」
「けんちゃんがそう言ったの?」
「はい・・・もう・・・
失恋ですねアハハ」
「失恋???」
ヤバッついつい。
「失恋みたいなもんですよ」
誤魔化したつもり。
「ねぇ!聞くんだけどさ
綾子ってけんちゃんのこと
好きなんじゃない???」
「アハハ 違いますよぉ」
「違わないよね?」
自信たっぷりの彩子さん
「彩子さんには隠せないですね
好きでした
初めは嫌な人!と思ってたのに
好きになってました」
「ドラマーとは?」
「早い時点でお断りしました」
「やっぱり?そーじゃないかと
思ってたんだ」
「ですね・・・
夕陽さんが居るからもう
会うのはやめようって・・・
い・・・いわ・・・
言われました
(もう泣かないと
決めたからここはグッと我慢)
告白する前に失恋ですよ
笑っちゃいいますよね
「けんちゃんがそう言ったの?」
「はい 夕陽さんが居るから迷惑だって」
「何を言ってんの?あいつ!
ヤレヤレ困ったもんだ」
と携帯をかけてどこかに電話をしようとした。