まじめっ娘とイケメンくんの恋


謙太さんの台所は
スッキリきれい
そして少し前まで彼女がここで
料理をしていた形跡も残ってる。


だって男だったら
こんなに調味料揃ってないでしょ
とくに謙太さんは料理苦手そうだもの。


「こんな時に看護してくれる彼女さんがいたら
よかったのにね」


「女にはこんな弱っちい姿を
見せれないよな
カッコ悪くてさ」


「わかってるでしょうけど
一応あたしも女ですけど」


「えっ?そんなん?
あやっぺ女だったん?」


「はぁ?もう知りません!
自分で作って食べてください!」


ガスを止めお粥作りをやめた。


「帰りますから!お大事に!」


洗った手をタオルで拭きながら
謙太さんに言うと
「うっ!!!吐き気がする!」
と 突然うずくまった。


「どーせ演技でしょ
超下手な演技なんですけど!
そんなんじゃ 騙せませんよ」


「・・・」


何も言わない謙太さん。


「今度は死んだ振りですか?
人間なね 死んだら
ダラーんとなるんです!
そんな丸まったままじゃありません!」


「夕べからこんな感じで
もう吐くものねーけど
吐き気が襲ってくる・・・」


「はいはいわかりました
吐くものないんじゃなくて
吐き気は嘘だもんね」


絶対騙されないから!






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