水底の鳥籠
目覚まし時計を見て愕然とする。もう12時、お昼の時間である。
つまりーー約束の時間をとっくに過ぎているということ。
慌ててスマホを確認する。
水兎からの着信がホラーのようにきている。留守電も入っているが、結末をわかっている以上、聞く気にもなれない。
「絶対怒ってるな」
そのときインターホンが鳴る。
「……水兎か?」
とりあえず玄関に向かい、扉を開けるーーそこに立っていたのは灰色の髪の青年で、手には高級そうな紙袋を持っている。
「十夜さんこんにちは。同じ作家仲間から有名店のクッキー貰ったので、お裾分けに……ってどうしたんですか?いつも暗いのに、今日はさらに暗くないですか」
さらりと酷いことを言うこの男はミステリー作家で、どの世代からも支持を受けている海馬千里。ミステリアスなイケメンと世間では騒がれているらしい。
ミステリー小説を愛読してる水兎が熱く語っていたのを思い出す。
つまりーー約束の時間をとっくに過ぎているということ。
慌ててスマホを確認する。
水兎からの着信がホラーのようにきている。留守電も入っているが、結末をわかっている以上、聞く気にもなれない。
「絶対怒ってるな」
そのときインターホンが鳴る。
「……水兎か?」
とりあえず玄関に向かい、扉を開けるーーそこに立っていたのは灰色の髪の青年で、手には高級そうな紙袋を持っている。
「十夜さんこんにちは。同じ作家仲間から有名店のクッキー貰ったので、お裾分けに……ってどうしたんですか?いつも暗いのに、今日はさらに暗くないですか」
さらりと酷いことを言うこの男はミステリー作家で、どの世代からも支持を受けている海馬千里。ミステリアスなイケメンと世間では騒がれているらしい。
ミステリー小説を愛読してる水兎が熱く語っていたのを思い出す。


