笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


「待って、写真、撮ってもいい?」


私は片手でフォークを受け取りながら、もう片方の手に持っていたスマートフォンで、カメラ機能を開く。


「いいけど、何のために」


奏は笑って、自分の分のフォークを手に取った。


「奏がはじめて私に料理作ってくれた記念」


「なんだよそれ」


何気ないことかもしれないけど、きっと私にとっては、一生忘れられない日になるだろうから。


< 346 / 463 >

この作品をシェア

pagetop