龍瞳ーその瞳に映るもの
「いいのいいの、そんな事」

少し訛りの混じった昌枝さんが
アズの前で立ち尽くすナノハの手を
握りながらそう言った。

「どうすればいいかはナノハちゃんと
接するうちにわかるからさ」

ね、と言われた本人は理解できていないがアズが何も言わないということは
それでいいということだ。

知らなければいい事もある。
アズの先代の口癖をふと思い出す。

視線を感じてそちらを見れば
出雲と目があった。

思いを言葉にする事が苦手な出雲は
いつも俺に目で思いを訴える。

潤んだ目で小さく頷く出雲の意は
俺だけではなくそこにいる一人をのぞく
全員に伝わった。
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