龍瞳ーその瞳に映るもの
「ねぇ、アズ」

その唯一の一人がアズの方を振り向く。

「雇い主はまだ来ないの?」

意味不明な事を言い出す。

「雇い主?」

アズも意味がわからず聞き返すしかない。

「そう、アズの雇い主」

……よくわからないが何となく
ナノハが勘違いをしている事がわかる。

龍瞳の事をナノハは知らない。
任務内容も詳しくは知らない。
ただアズに言われた事を遂行するだけ。

アズが何者なのかを知らない。

「雇い主ならここにいる」

それを察したアズは薄く笑った。

じっとゆっくり視線を動かし
その雇い主を探すナノハの目に
ゾクリと背中が疼く。
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