龍瞳ーその瞳に映るもの
それはあまりにも壮絶だった。

母親は服役中にアズを産んだ。
母親が育てる事は不可能で
アズは施設に預けられた。

出所後、母親がアズを迎えに来る事はなくその後また逮捕され刑務所に逆戻りの
生活を繰り返す。

どこの誰だかわからない男の子供を
なんであたしが育てなきゃいけない?

アズが大人になり母親に初めて
会いに行った時の言葉だった。

「親を恨んでる暇なんかなかった」

それでも荒れた時代もあったと
アズは自嘲気味に笑う。

「よく死ななかったと今さら思う」

一度だけ見たアズの背中には
大きな傷跡があった。
なにかでバッサリ切られたような
切り傷だった。
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