龍瞳ーその瞳に映るもの
逃げる事もできたのにそうしなかったのは
神の背中。

だって神だもの、理由なんてない。
神が悪い事をするはずがない。

そう思っていたけれど
路地裏を抜け出たのは薄暗い通り。
そこに止めてあったバイクに近づき
メットインからヘルメットを渡された。

「へ?」

間抜けな顔の私を一瞥してただけで
自分の頭にもヘルメットを被り
バイクのエンジンをかけた。

「うしろ」

に乗れって省いたのね、わかるけど
一体どこに行くんだろう。

「乗らねーなら殺すけどどうする」

神のくせに耳を疑うような事を発する。

「早く決めろ」

神だと思っていたけれど、
殺すと言った目は冗談を言ってる目でなく
どっちかと言うと本気、いやどっちかと
言わなくても本気の目だ。
< 16 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop