龍瞳ーその瞳に映るもの
窓の外はまだ明るい。
夜景を見る時間にはまだ早い。
アズの返事は、あぁだった。

わざわざ面倒くさいんだと思う。
日が暮れるまで時間を潰さなきゃいけない。

「なぁんてね、嘘。帰ろ」

買い物に連れ出してくれただけで満足。
そう思っていたのに私の願いや思いは、
思い返せば必ず叶えられていた。
アズが必ず叶えてくれる。

車を走らせている間に日は暮れ山道に入った頃には真っ暗になっていた。

「アズっ」

乗り気じゃないと思ってたから諦めてたのに、どんどん山道を上がっていく。

「もう少し待ってろ」

そう言って片手で私の目を隠した。
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