龍瞳ーその瞳に映るもの
疾走していたバイクの速度が落ち
左にウインカーを出した。

古びた家やアパートが立ち並ぶ
街灯の電気が切れた道に入っていく。

シンと静まる街に響くエンジン音。
それを憚ることなく神は進んで行った。

コンクリートが剥き出しの5階建ての
建物の前にバイクは止まった。

かなりの距離を走ってきた、
ホテル関係者じゃない事は確か。

「ついてこい」

バイクから下りた私にそう言って
さっさとその建物の中に入っていく。

私がついてくると思っているのか
逃げてもかまわないと思っているのか
真意が掴めずそれが逃げる足を止める。

逃げる事が一番タブーな気がした。
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