龍瞳ーその瞳に映るもの
「一応、合格」

うっすらと口角を上げた神は
満足そうにタバコに火をつけた。

「合格?何が」

「下働きさせてやる。丁度探してたとこだ」

下働き?は?
誰も雇ってなんて言ってない。
何の仕事かも知らない。

「行くとこねーんだろ?」

ま、まぁ、まぁ、ないけど…
痛いとこをついてくる。

「じゃ、WinWinの関係って事だな」

WinWin?ウインウイン?ウィンウィン?

「お互いさまって事だよ、バカ」

頭は弱いんじゃねーか?こいつなんて
まる聞こえの悪口を言いながら

「三食部屋付き、家賃は給料天引き。
そん代わり飯はお前が作れ」

いいんだか悪いんだかわからな条件を出した。

部屋は奥の右側だと教えてくれたから
見せてもらう事にした。

左は神の部屋らしく絶対に入るなと
すごまれた。

右側の部屋は使っていないのか
少し埃っぽくてカビ臭いけれど
ベッドと小さな荷物入れがあった。
窓には遮光カーテンが引かれていた。

開けてみようとしたけれど、
鉄格子がはめられていて窓は
ほんの少ししか開かなかった。
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