龍瞳ーその瞳に映るもの
「売る気はないと言ってるでしょう」

レジにいる市原さんを庇うように立つ
店長はレジ前に置いた特売品に肘を置く
男に言いながらため息をついた。

「ひっつこいおっさんだな」

そんな店長に馬鹿にしたように
特売品のお菓子を
店長に当たるか当たらないかの
絶妙な距離に投げつけた。

「客もこねーこんな店、後生大事に
してねーでスパッと手放したらどーだ」

「ですから売る気はないと何度言えば」


品物も従業員もいいのに
お客さんが少ないのか原因を目の前にして悪い癖が出てしまう。
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