イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「きゃあ!」

「朱石さん!?」

まだ視界は闇に包まれて何も見えない。地面がせり上がる感触だけがする。

やがて地面が動きを止めて、暗闇に光源が浮かび上がった。
ピンクや青、緑、黄色といったステンドグラスを思わせるような幻想的な色彩のライトが私たちを照らす。

いつの間にか私は建物の二階くらいの高さに居て、柱に縛り付けられ、周囲を鳥かごのような格子に囲まれていた。
流星は、先ほどと同じ場所で、やはり柱にベルトでしっかりと固定されたままこちらを見上げている。

どこからともなく悪魔のような笑い声が響いてきた。
『きゃっきゃっきゃっきゃっ――姫を助けたければ、我が試練を突破してみせろ!』

突然、流星を縛り付けていたベルトが外れ、そこから十メートルほど横にライトで形作られた扉が姿を現した。
上空に数字が浮かび上がっている。5・4・3とカウントダウンしながら閉まり始める扉。

一瞬戸惑い、身じろぐ流星。
その意図に気付き走り出すのが少しだけ遅かった。
辿り着いた流星の目の前で無情にも扉が閉まる。

『きゃっきゃっきゃっきゃっ――非力な王子よ、試練を突破できなかった罰として、姫を痛い目に合わせてやる』

悪魔の声を聞いてギョッとした。
何それ、罰を受けるのは私なの?

突然地面が上下左右に激しく揺れ出し、周囲から煙が噴き上がる。
真っ白な煙幕に包まれながら、四方八方に揺らされる。

「きゃーーーーーっ!」

何も見えないし、気持ち悪いし、なんで失敗したのは流星なのに、私がこんな目に遭わなきゃならないの!?

流星の馬鹿! 恨んでやる!!
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