イジワル御曹司のギャップに参ってます!
煙が拡散して視界が開けたときには、目の前に流星がいた。
が、二人の間には透明なガラス板がはめられていて、触れることは叶わない。

『きゃっきゃっきゃっきゃっ――さぁ王子よ、次の試練だ』

悪魔の声が高らかに響いた。

「ふーん。なるほどねぇ」

ガラスに阻まれ少しくぐもった流星の声がこちらに届いた。
彼がガラスに手をつき、顔を近づける。
私と彼の距離は三十センチ。絶対的に近くて、絶対に届かないその距離。
彼の表情はというと――ニヤリと唇の端を上げて、不敵な笑みを浮かべていた。

「これはちょっと燃えるシチュエーションだねぇ。
今助けてあげるよ、お姫さま」

艶やかな声で、まるで挑発するかのように私へ囁く。少しだけドキリとした。


悪魔は次々に試練を出した。が、そのどれも流星は失敗し、私は罰にかけられた。
突風が吹いたり、水しぶきが飛んだり、ボールが落ちてきたり(柔らかなものとはいえそこそこ痛かった)、罰ゲームの内容がだんだんとエスカレートしてくる。
流星はというと、真剣にやっていたのは最初のひとつだけで、途中から私に下される罰が楽しみになってきたようで、終いにはクリアできる試練でさえわざとクリアしないという意地の悪さを見せた。

流星の悪戯っぽい笑みが私に降り注ぐ。

ここに、もう一人悪魔がいる!!
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