イジワル御曹司のギャップに参ってます!
パーク内で縦にも横にも一番巨大で、一番豪華絢爛な建造物――『ラブ・キャッスル』はその名の通り城を模していた。
真っ白にそびえ立つ外壁と、先の尖がった屋根。建物全体が光沢のある貝殻のように艶々と光り輝いて見える。
まるでメルヘン童話から飛び出してきたような、窓からひょっこりとお姫様が顔を覗かせそうな、そんな城だった。


入口の案内版を眺めながら、流星が呟く。

「『体験型アトラクション』ねぇ……『次の方はご利用になれません ①心臓の弱い方 ②低・高血圧の方 ③妊娠中及び妊娠と思われる方 ④安全ベルトの合わない方――』――完全に内容がジェットコースターのヤツだよねぇ」

「私ここで――」

「却下。入場は男女ペアが必須だって書いてある」

『ここで待っています』を言わせてもらうことすら許されず、流星は城門へと続く跳ね橋へ向かって私の手を引いた。

橋の上には入場待ちの長い列が出来ていて、それでも三十分程度の待ち時間で入ることができた。

入ってすぐ長い廊下があり、真っ白な大理石の床に真っ赤なカーペットが敷かれていた。
天井のシャンデリアは金。息を呑む優雅さだ。
その中を、私たち含む入場者は列を成して歩いていく。

やがて入場者たちは各ペアに別れ、それぞれ異なる扉へと案内された。
扉の奥は天井の高い大広間になっていて、部屋の中央に二本の柱が立っていた。
一本はピンク。もう一本はブルー。
一体何に使うのか、異様さを醸し出しているそれは、柱といえど天井には届いておらず、二メートルほどの高さで途切れている。

やがて天使の見た目をした実態のないホログラムが現れ、私をピンク、流星をブルーの柱の元に立たせた。
背中を柱にぴったりと添わせるように指示される。

すると突然、部屋が暗転し視界が奪われた。
けたたましい機械音。自分の周囲でガチャガチャとセットの動く気配がする。
私の腰と足には飛び出してきたベルトが巻き付き、あっという間に柱に固定されてしまった。
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