イジワル御曹司のギャップに参ってます!

「すごい!」
思わず私は叫んでいた。

「映像だけでここまで仕上げるなんて見事だね。結構お金かけてるのかな」
流星でさえ、感嘆の声を漏らす。ちょっと現実的過ぎる感想だったけれど。


やがて星たちが色とりどりに輝きだし、動き出す。
光の粒が閃光となり、一斉に同じ方向へと向かい、私の方が動いているのではないかという錯覚に陥る。

そこから先はまるでジェットコースターだった。
光の速度がどんどん加速し、宝石箱の中を縦横無尽に滑走しているようだった。
キラキラと明滅を繰り返す鮮やかな光の瞬きに、クラクラと眩暈を覚える。
閃光が突然下へ向き、深い深い地の底へと落下していく。

「~~~!!!」

視界に騙され浮遊感を覚え、声にならない悲鳴を上げる。

怖い!

平衡感覚を失って倒れ込みそうになった身体を、流星の腕がしっかり抱きとめる。

よく見ると、目の前に色彩豊かな光に染め上げられた流星の顔があって、その柔らかな微笑みに再び眩暈を覚えた。

それでも流星は私の身体をちゃんと引き寄せて、宝物を守るかのようにそっと抱いてくれていた。
その仕草だけは、本物の王子様のように思えて。
なんだか少し、頼もしかった。

光が動きを失ったとき。
私たちは再び満点の星空の下に投げ出されていた。
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