イジワル御曹司のギャップに参ってます!
なんともいえない余韻を残したまま、私と流星は出口へ向かって歩を進める。
手は、繋がれたまま。
それがすごく自然な気がした。

「なんとなく、わかった気がする」

出口を出たところで、流星が言った。

「クライアントの言ってた、コンセプトのことだけど……」

「『キラキラ、クラクラ、深くてギュンギュン』ってやつ?」

私のちょっとおどけた補足説明に、流星が「そうだね」と言ってクスリと笑う。

「それって、さっきのラストシーンのことだと思うんだ」

「光の渦が、私たちの周りをぐるぐると回っていたところ?」

「うん。あの世界観を言葉にしたかったんだと思う」

私は小さく頷く。

「綺麗、でしたもんね」

「……いや、たぶん、綺麗ってだけじゃないと思う」

不意に流星が足を止めた。
なにやら真剣な顔つきで考え込んでいる。
私の視線に気が付いた彼が、こちらを見下ろして、ちょっと困ったような、照れたような、今までに見せたことない表情を浮かべた。

「彼が美しいと思ったのは、あの映像に対してじゃない。
隣にいた恋人に対して――じゃないのかな?
だって、一人であの映像を見たことろで、この感覚は沸き上がってこないからね。
きっとクライアントが伝えたいのは、あの景色自体ではなくて。
愛する人を愛おしいと――守りたいと思う気持ち、それが輝かしくも美しい、ってことなんじゃないのかな?」
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