イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「一緒に、入ってくれませんか? 氷川さん」
青山さんがもう一度呼びかけたときには、もういつもの呼称に戻っていて、聞き間違いだったのかな、と思った。
だって青山さんが氷川のことを、馴れ馴れしく下の名前で呼ぶわけないじゃないか。
礼儀正しい彼女がそんなことをするとは思えないし、今までだってそう呼んでいるのを聞いたことがない。
青山さんに真剣に懇願され、それを断るほどの理由はなかったようだ。
「……彼女と『ラブ・キャッスル』に入ってきますので、少々待っていてください」
それは、流星にしては生真面目で、氷川にしては柔らかかった。
どちらとも取れない口調で私と市ヶ谷くんに言い渡すと、青山さんを連れて『ラブ・キャッスル』の入り口のある城門の方へと歩いて行った。
二人の後ろ姿を私と市ヶ谷くんは見送った。
途中、青山さんが氷川に腕を絡めたのが見えた。
その仕草はとても自然で、まるで本物の恋人同士のよう、何の違和感もない。
ここに来る前だって散々二人が腕を組むところを見ていたはずなのに、どうしてだろう。
なんだか今は、無性に息苦しい。
青山さんがもう一度呼びかけたときには、もういつもの呼称に戻っていて、聞き間違いだったのかな、と思った。
だって青山さんが氷川のことを、馴れ馴れしく下の名前で呼ぶわけないじゃないか。
礼儀正しい彼女がそんなことをするとは思えないし、今までだってそう呼んでいるのを聞いたことがない。
青山さんに真剣に懇願され、それを断るほどの理由はなかったようだ。
「……彼女と『ラブ・キャッスル』に入ってきますので、少々待っていてください」
それは、流星にしては生真面目で、氷川にしては柔らかかった。
どちらとも取れない口調で私と市ヶ谷くんに言い渡すと、青山さんを連れて『ラブ・キャッスル』の入り口のある城門の方へと歩いて行った。
二人の後ろ姿を私と市ヶ谷くんは見送った。
途中、青山さんが氷川に腕を絡めたのが見えた。
その仕草はとても自然で、まるで本物の恋人同士のよう、何の違和感もない。
ここに来る前だって散々二人が腕を組むところを見ていたはずなのに、どうしてだろう。
なんだか今は、無性に息苦しい。