イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「なんか、恋人同士っぽくていいですよね、こういうの」

「そんな、大袈裟だよ」

はは、と笑った私に、市ヶ谷くんがちょっと瞳を大きくして「あの、先輩」とあらたまって覗き込んできた。

「このまま、付き合っちゃいましょうか?」

「あはは、市ヶ谷くん『ラブランドパーク』の雰囲気に飲まれ過ぎ」

「そ、そうですかねぇ……」

市ヶ谷くんは眉をひそめて、うう、と唸ったかと思うと、あ、でも! と何かを思い出したかのように捲くし立てた。

「ほら、氷川さんと青山さんだって、すごく良い雰囲気だっだし。
このままだと、あの二人、寄りを戻しちゃうんじゃないですかね?」

キャラメルポテトを口の中に放り込みながら、市ヶ谷くんはおどけるように言う。

……寄り?

私がポカンとしていると

「あれ? 知りませんか?
……二人、昔付き合ってたらしいんですよ」

私の顔色を見計らうように、市ヶ谷くんがおずおずと言った。

「それって、ただの噂だよねぇ?
女性社員が、氷川さんのそばにいる青山さんに嫉妬して流したっていう――」

「いや、事実みたいですよ」

市ヶ谷くんはポテトを一つ、また一つと摘まみながらサラリと答えた。
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