イジワル御曹司のギャップに参ってます!
*
その日の夜。残業をしていた私と氷川の元へ小野田部長がやってきた。
「君たち、ちょっといいかな」
小野田部長は親指をくいっと外へ向け、少し話ができないか、そんなジェスチャーをする。
「はい」
私たちは連れ立って、オフィスの端に併設されている少人数用の会議室へ向かった。
「突然なんだが、来期の昇進に君たちの名前が挙がっているんだ」
会議室の扉を閉めるなり、小野田部長が切り出した。
「!?」
私はドアの前に突っ立ったまま、言葉を失くす。
氷川も、驚きからかいつもより少しだけ瞳を大きくさせている。
「二人とも、ではない。どちらかだ」
小野田部長は窓の外に浮かぶネオンと高層ビルから漏れる明かりを眺め見ながら、フラットな語り口調で話を続けた。
「本来は、事前に本人に告げたりはしないんだがね。
氷川くんの場合、キャリア組とか、出世コースとか、社員たちの間で囁かれているらしいから。
そんなものはない。ただの噂だということを、君たちに伝えておきたくてね」
小野田部長が、呆然と佇む私たちを見て、にっこりと柔らかい笑みを浮かべた。
「キャリアや年次は関係ない。これからの君たちの働きぶりを見て、公平に決める。
どちらに決まっても恨みっこなし、だ」
その日の夜。残業をしていた私と氷川の元へ小野田部長がやってきた。
「君たち、ちょっといいかな」
小野田部長は親指をくいっと外へ向け、少し話ができないか、そんなジェスチャーをする。
「はい」
私たちは連れ立って、オフィスの端に併設されている少人数用の会議室へ向かった。
「突然なんだが、来期の昇進に君たちの名前が挙がっているんだ」
会議室の扉を閉めるなり、小野田部長が切り出した。
「!?」
私はドアの前に突っ立ったまま、言葉を失くす。
氷川も、驚きからかいつもより少しだけ瞳を大きくさせている。
「二人とも、ではない。どちらかだ」
小野田部長は窓の外に浮かぶネオンと高層ビルから漏れる明かりを眺め見ながら、フラットな語り口調で話を続けた。
「本来は、事前に本人に告げたりはしないんだがね。
氷川くんの場合、キャリア組とか、出世コースとか、社員たちの間で囁かれているらしいから。
そんなものはない。ただの噂だということを、君たちに伝えておきたくてね」
小野田部長が、呆然と佇む私たちを見て、にっこりと柔らかい笑みを浮かべた。
「キャリアや年次は関係ない。これからの君たちの働きぶりを見て、公平に決める。
どちらに決まっても恨みっこなし、だ」