イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「朱石さん、だっけ。君がプロジェクトリーダーなの? マネージメントは小野田部長? 他にメンバーは誰がいるの?」

プロジェクトメンバーの名前を上から出していくと、『氷川』の名前のところで、若部さんがぴくりと反応した。

「ああー、氷川くんね。昔、一緒のプロジェクトに携わったことがあるよ。確か彼が新人の頃だったかな。
良い子だよね。根が真っ直ぐで物怖じしなくて。熱血漢っていうのかな」

視線を遠くにやりながら、懐かしそうに当時を思い返す若部さん。
だが私は首を傾げる。『熱血漢』? それは本当に氷川のことだろうか?
確かに、物怖じしないタイプではあるが――『冷徹』ならともかく『熱血』とは違うだろう。

「ええと……氷川、流星ですか? ひょっとしたら別人では?」

「いいや。確かそんな名前だったよ。
ああ、そういえば噂で聞いたなぁ。人が変わったようになっちゃったって。今は昔と違って、真面目くんやってるんだっけ?」

眉をひそめる私に、若部さんは昔の氷川について語ってくれた。

新人という枠に収まらず、入社早々、中堅顔負けの仕事ぶりを見せていたという若かりし頃の氷川。
新しい風潮を追い求める彼のアグレッシブな姿勢に、未来のエースでありホープなのだと、誰もが一目置いていたそうだ。


「とはいえ、あんなことになっちゃったから、変わるのも無理ないのかな――」

「あんなこと?」

思わせぶりな若部さんの台詞に私が尋ねると「村正さんって知らない?」と逆に問いかけられた。
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