イジワル御曹司のギャップに参ってます!
***
定時過ぎの、それほど遅くもない時間。
若部さんと『星宝Lilia』との打ち合わせはどうなっただろうか。そろそろ終わっている時間だろう。
そんなことを気にしながらも、待つことしかできない私はおとなしく帰ることにした。
いつもより少しだけ早い帰宅時間。
このあとどうしようなんて考えながら、オフィスをあとにする。
ふと一階のロビーを出たところで、見知った影が視界の端に入って、私はおもむろに足を止めた。
ビルの入り口の脇。人々の往来にあたって邪魔にならない端っこ――というより、どちらかというと物陰に隠れるようにして、彼女は立っていた。
帰り支度を済ませ、小柄な彼女の体格にしてはちょっと大振り過ぎるバッグを胸元に抱きしめて、時間を気にするように腕時計を眺めている。
その仕草がなんだかいじらしく見えて、ついつい私は声をかけてしまった。
「青山さん、こんなところでどうしたの?」
「っ、っっ!?」
私の姿を見るなり、明らかに嫌そうな顔をする青山さん。
どうしてだろう、私、彼女に嫌われることをしただろうか?
まぁ、彼女の愛想があまりよろしくないのは今に始まったことではないから、気にしないことにする。
「端っこで小さくなってたから、少し心配になって。どうかした?」
「いえ。なんでもありません」私の質問に、なんだか気まずそうに目を伏せる青山さん。「ちょっと、人を待っていて」
「ああ、待ち合わせ?」
「いえ、待ち伏せです」
きっぱりと言い切った彼女に、さすがの私も度肝を抜かれた。ま、待ち伏せだって……?
定時過ぎの、それほど遅くもない時間。
若部さんと『星宝Lilia』との打ち合わせはどうなっただろうか。そろそろ終わっている時間だろう。
そんなことを気にしながらも、待つことしかできない私はおとなしく帰ることにした。
いつもより少しだけ早い帰宅時間。
このあとどうしようなんて考えながら、オフィスをあとにする。
ふと一階のロビーを出たところで、見知った影が視界の端に入って、私はおもむろに足を止めた。
ビルの入り口の脇。人々の往来にあたって邪魔にならない端っこ――というより、どちらかというと物陰に隠れるようにして、彼女は立っていた。
帰り支度を済ませ、小柄な彼女の体格にしてはちょっと大振り過ぎるバッグを胸元に抱きしめて、時間を気にするように腕時計を眺めている。
その仕草がなんだかいじらしく見えて、ついつい私は声をかけてしまった。
「青山さん、こんなところでどうしたの?」
「っ、っっ!?」
私の姿を見るなり、明らかに嫌そうな顔をする青山さん。
どうしてだろう、私、彼女に嫌われることをしただろうか?
まぁ、彼女の愛想があまりよろしくないのは今に始まったことではないから、気にしないことにする。
「端っこで小さくなってたから、少し心配になって。どうかした?」
「いえ。なんでもありません」私の質問に、なんだか気まずそうに目を伏せる青山さん。「ちょっと、人を待っていて」
「ああ、待ち合わせ?」
「いえ、待ち伏せです」
きっぱりと言い切った彼女に、さすがの私も度肝を抜かれた。ま、待ち伏せだって……?