イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「あの……誰を……」

「氷川さんです」

「あ、ああ、氷川さんね」

頷きながら、よくよく考えてみればおかしな話だということに気付く。
氷川に用事があるのなら、オフィスで済ませれば良いのに。彼女と氷川の席は、すぐ隣なのだから。
何もこんなところで立って待っていなくてもいいだろうに。

「青山さんがここで待っているってこと、氷川は知っているの? 電話した方が早くない?」

「それでは待ち伏せにならないじゃないですか」

「ああ、そっか」

なるほど、一理ある。こっそり待っているからこそ待ち伏せ。連絡したら、待ち合わせになってしまう。
……って、そもそもどうして待ち伏せをしなければならないの!?

「あのさ、どうして待ち伏せしてるか、聞いてもいい?」

「デートに誘うためです」

「ああ、デートね。……って、えぇ!?」

あまりにも涼しい顔で言われて納得しそうになってしまったけれど、いろいろと突っ込みどころがある気がする。
まず、デートなら、待ち伏せより待ち合わせの方が良いのではないだろうか。
それから、女の子がこんなところで立って待っているのはどうかと思うし。
いや、それ以前に。
氷川と青山さんの二人は、やはり市ヶ谷くんが言っていた通り、デートとかしちゃうような関係なのだろうか。
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