イジワル御曹司のギャップに参ってます!
私の疑問を察したかのように青山さんが口を開く。
「氷川さんは、約束が嫌いなんです。残業があって守れないかもしれないから、と、アフターファイブの約束はしてくれないんです。
だから、偶然を装って誘うしかないんです」
つまり、偶然を装うための待ち伏せなのか。なるほど、状況が読めてきた。
「そ、そっか」
「はい」
頷き合って、しばし沈黙が流れる。
つまり氷川は、青山さんがこうして待っていることを知らないし、青山さんも、氷川がいつくるかも分からないのに待っている、と。
それって、すごく……
健気なことなんじゃないだろうか。
「あ、あのさ」
「はい?」
「青山さんて、氷川のこと……好き?」
「ええ。好きですよ。でなければ、こんなことしません」
「……そうだよね」
理由はよく分からないけれど、胸がじんわりと痛くなった。
健気な青山さんに心を打たれたのだろうか。
あるいは、青山さんを待たせている氷川の、罪な男ぶりに腹が立ったのだろうか。
それとも――
「朱石さんはどうなんですか?」
考え込んでいた私に、青山さんの鋭い視線が突き刺さった。
「朱石さんは、氷川さんのこと、好きじゃないんですか?」
「わ、私?」突然聞かれて言い淀む。
「私は……嫌われているからね」
「氷川さんは、約束が嫌いなんです。残業があって守れないかもしれないから、と、アフターファイブの約束はしてくれないんです。
だから、偶然を装って誘うしかないんです」
つまり、偶然を装うための待ち伏せなのか。なるほど、状況が読めてきた。
「そ、そっか」
「はい」
頷き合って、しばし沈黙が流れる。
つまり氷川は、青山さんがこうして待っていることを知らないし、青山さんも、氷川がいつくるかも分からないのに待っている、と。
それって、すごく……
健気なことなんじゃないだろうか。
「あ、あのさ」
「はい?」
「青山さんて、氷川のこと……好き?」
「ええ。好きですよ。でなければ、こんなことしません」
「……そうだよね」
理由はよく分からないけれど、胸がじんわりと痛くなった。
健気な青山さんに心を打たれたのだろうか。
あるいは、青山さんを待たせている氷川の、罪な男ぶりに腹が立ったのだろうか。
それとも――
「朱石さんはどうなんですか?」
考え込んでいた私に、青山さんの鋭い視線が突き刺さった。
「朱石さんは、氷川さんのこと、好きじゃないんですか?」
「わ、私?」突然聞かれて言い淀む。
「私は……嫌われているからね」