イジワル御曹司のギャップに参ってます!
小野田部長の前での絶縁宣言を思い出した。
私が好きかどうかなんて関係ない。そもそも氷川は私へ歩み寄るつもりがないのだから。
私たちの関係が、これ以上プラスになることなんてあり得ない。

私が自嘲するのを見て、青山さんは瞳を険しくした。
気のせいではない、明らかに――怒っているようだった。

「嫌われているなら、どうして氷川さんは朱石さんを『東京ラブランドパーク』へ誘ったんですか?」

「それは……仕事で仕方なく、じゃない?」

「じゃあどうして、あのとき――『東京ラブランドパーク』で、氷川さんと二人で姿を消したんですか!?
私と市ヶ谷さんがジェットコースターを待っている、あのときです」

「あ、ああ……あれは」

語気を強められて、私は慌ててあのときのことを振り返る。
確か、私がジェットコースターは嫌だと拒否して。
私と同じく、実はジェットコースターがあまり得意ではなかった氷川もそれに便乗して……

青山さんと市ヶ谷くんが乗り終わるのをただ待っているだけではなんだから、二人で一足先に『ラブ・キャッスル』へ向かったのだった。
その間にお祭りとかお化け屋敷とかいろいろ寄り道もしたけれど、あれは成り行きというか何というか。
寄り道に関しては青山さんは知らないはずだし……

「あれは、私と氷川がジェットコースター嫌いだったから、仕方なく――」

「氷川さんは、ジェットコースター嫌いなんかではありません。むしろ、好きなはずです。
だって、私と初めて『東京ラブランドパーク』へ行ったとき、自ら進んで乗っていましたから」

「え?」

一瞬理解が追いつかなくて、私は頬を引き攣らせた。
――『私と』――『初めて』――『東京ラブランドパークへ行ったとき』……?
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