イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「朱石先輩、氷川さんのこと、どう思ってんですか」
改めて私に向き合う市ヶ谷くん。
仕事のときにも見せたことのないような真剣な眼差し。返答次第では許しません、といった感じだ。
彼は大切な後輩で部下だし、こんなことで信用を失いたくない。
彼の気に障らないように慎重に言葉を選んで言い訳することにした。なんだかプレゼンよりも緊張する。
「本当に、氷川さんとは付き合ってるとかそういうんじゃなくて。
彼が言った通り、ちょっとトラブルがあって。仕方がなく……っていうか、どうしようもなかったっていうか」
「さっき、氷川さんのこと大っ嫌いって言ったの、本心ですか?」
「も、もちろん! あんな感じの悪い人、嫌いだよ!」
「……なら、いいです」
市ヶ谷くんは元気のない声で低く呟くと、会議室前の廊下をゆっくりと歩き出した。
まだ不満を抱えているのが態度から丸わかりだ。
どうしたらいつもの元気な市ヶ谷くんに戻ってもらえるだろう。
分からなくて何も言えぬまま、彼の三歩後ろに付いて、いつもよりちょっと静かに感じられる廊下を歩く。
オフィスへの入り口はセキュリティのために施錠がされていて、ドアの左側に解除用のダレーダーが取り付けられている。
市ヶ谷くんはそのダレーダーに首から下げていた入館カードをかざして、施錠を解除す――
る前に、ふと、その手を止めた。
私の方へと振り返り、眉を寄せて少し困ったような顔をする。
改めて私に向き合う市ヶ谷くん。
仕事のときにも見せたことのないような真剣な眼差し。返答次第では許しません、といった感じだ。
彼は大切な後輩で部下だし、こんなことで信用を失いたくない。
彼の気に障らないように慎重に言葉を選んで言い訳することにした。なんだかプレゼンよりも緊張する。
「本当に、氷川さんとは付き合ってるとかそういうんじゃなくて。
彼が言った通り、ちょっとトラブルがあって。仕方がなく……っていうか、どうしようもなかったっていうか」
「さっき、氷川さんのこと大っ嫌いって言ったの、本心ですか?」
「も、もちろん! あんな感じの悪い人、嫌いだよ!」
「……なら、いいです」
市ヶ谷くんは元気のない声で低く呟くと、会議室前の廊下をゆっくりと歩き出した。
まだ不満を抱えているのが態度から丸わかりだ。
どうしたらいつもの元気な市ヶ谷くんに戻ってもらえるだろう。
分からなくて何も言えぬまま、彼の三歩後ろに付いて、いつもよりちょっと静かに感じられる廊下を歩く。
オフィスへの入り口はセキュリティのために施錠がされていて、ドアの左側に解除用のダレーダーが取り付けられている。
市ヶ谷くんはそのダレーダーに首から下げていた入館カードをかざして、施錠を解除す――
る前に、ふと、その手を止めた。
私の方へと振り返り、眉を寄せて少し困ったような顔をする。