イジワル御曹司のギャップに参ってます!
お化け屋敷の中は真っ暗で、天井から吊るされたオレンジ色のランプだけが、辺りを薄っすらと照らしていた。
おぼろげに浮かび上がる石を敷き詰めた歩道。真っ直ぐに伸びたその歩道を歩いていくと、やがて両側に十字架と墓石のような影が浮かび上がった。どうやら墓地の設定らしい。
もやのような白い塊が、ふわりふわりと幻想的に宙を舞い、やがてそれは私の目の高さまで降りてくる。
可愛らしいお化けの顔をしていた。
顔にぶつかっても何の感触もないところから、どうやらライトで作られた幻影なのだと分かった。
「ほら、可愛らしい」
「そうだね……」
床を走る黒猫、ひょこひょこと墓石の奥から顔を出すカボチャ。
とても無邪気――言ってしまえば子ども騙しだ。全然怖くなくて、私はホッとする。
安堵で気が緩んだ、そのとき。
ぎゃーーーーーーーーー!!!!!!!
けたたましい悲鳴が背後から降ってきた。
慌てて振り返った私たちの前に立ちはだかったのは、頭から血を流したゾンビ。
目はぎょろりと飛び出ていて、皮膚は爛れ落ち、ざんばらな髪を振り乱し、歪な足取りで追いかけてくる。
「いやーーーーーーーーーーっ!」
気が付くと、流星の手を握ったまま私は走り出していた。
「っうっわっっ!」
突然強く引っ張られた流星から悲鳴が漏れる。
ひとしきり走ると、墓地の風景が変わりゾンビの姿も見えなくなった。安全を確認して、私は立ち止まる。
おぼろげに浮かび上がる石を敷き詰めた歩道。真っ直ぐに伸びたその歩道を歩いていくと、やがて両側に十字架と墓石のような影が浮かび上がった。どうやら墓地の設定らしい。
もやのような白い塊が、ふわりふわりと幻想的に宙を舞い、やがてそれは私の目の高さまで降りてくる。
可愛らしいお化けの顔をしていた。
顔にぶつかっても何の感触もないところから、どうやらライトで作られた幻影なのだと分かった。
「ほら、可愛らしい」
「そうだね……」
床を走る黒猫、ひょこひょこと墓石の奥から顔を出すカボチャ。
とても無邪気――言ってしまえば子ども騙しだ。全然怖くなくて、私はホッとする。
安堵で気が緩んだ、そのとき。
ぎゃーーーーーーーーー!!!!!!!
けたたましい悲鳴が背後から降ってきた。
慌てて振り返った私たちの前に立ちはだかったのは、頭から血を流したゾンビ。
目はぎょろりと飛び出ていて、皮膚は爛れ落ち、ざんばらな髪を振り乱し、歪な足取りで追いかけてくる。
「いやーーーーーーーーーーっ!」
気が付くと、流星の手を握ったまま私は走り出していた。
「っうっわっっ!」
突然強く引っ張られた流星から悲鳴が漏れる。
ひとしきり走ると、墓地の風景が変わりゾンビの姿も見えなくなった。安全を確認して、私は立ち止まる。