イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「私ひょっとしてみんなから嫌われてる?」
「みんなあなたの仕事ぶりを評価して言ってるんだ。
……まぁ、男性社員からは妬みも買っているかもしれないけれど。
少なくとも女性社員からは好感を持たれていると思うよ」
「どうして?」
「俺があなたを嫌っているように見せているからね。
俺とあなたが言い争いをしているだけで、他の女性社員はあなたを友好的に捉える」
それは、青山さんが女性社員から嫌われていることの逆だろうか。
憧れの男性のそばにいる女性は嫌われて、最も遠いところにいる私は好まれる。
酷く醜い感情の話なのに、さらりと受け流して冷静に分析する流星に狡猾さを感じた。
「……もしかして、それでわざと私に突っかかってくるんですか」
「いや。単純に、『氷川』としての俺があなたの仕事ぶりを許せないだけだよ」
「そ、そう……」
良い人であることを期待してしまっていた自分を諫める。そうだ。『氷川』と私は水と油だった。
ここで私は兼ねてから抱いている疑問を思い切って彼にぶつけてみた。
「……そもそも、どうして『氷川』のような人を演じているの?
本来のあなたとは別人じゃない」
私の質問に、氷川は一拍、逡巡するかのように沈黙した。
やがて、視線をどこか遠い彼方に向け吐露した。
「単純なことだ。今あの会社――『美倉広告企画』に求められている人材が『氷川』のようなヤツだったってだけだよ」
「みんなあなたの仕事ぶりを評価して言ってるんだ。
……まぁ、男性社員からは妬みも買っているかもしれないけれど。
少なくとも女性社員からは好感を持たれていると思うよ」
「どうして?」
「俺があなたを嫌っているように見せているからね。
俺とあなたが言い争いをしているだけで、他の女性社員はあなたを友好的に捉える」
それは、青山さんが女性社員から嫌われていることの逆だろうか。
憧れの男性のそばにいる女性は嫌われて、最も遠いところにいる私は好まれる。
酷く醜い感情の話なのに、さらりと受け流して冷静に分析する流星に狡猾さを感じた。
「……もしかして、それでわざと私に突っかかってくるんですか」
「いや。単純に、『氷川』としての俺があなたの仕事ぶりを許せないだけだよ」
「そ、そう……」
良い人であることを期待してしまっていた自分を諫める。そうだ。『氷川』と私は水と油だった。
ここで私は兼ねてから抱いている疑問を思い切って彼にぶつけてみた。
「……そもそも、どうして『氷川』のような人を演じているの?
本来のあなたとは別人じゃない」
私の質問に、氷川は一拍、逡巡するかのように沈黙した。
やがて、視線をどこか遠い彼方に向け吐露した。
「単純なことだ。今あの会社――『美倉広告企画』に求められている人材が『氷川』のようなヤツだったってだけだよ」