『ココロ彩る恋』を貴方と……
「美味かったよ」
下手くそなお世辞だと思いつつも、笑顔を彼に返した。
「良かったです」
ドアに向かう背中を見つめながら、言い知れぬ涙が溢れ落ちそうになった。
決別とは裏腹に思いがどんどん降り積もっていく。
(兵藤さん……)
これ以上私に期待をさせないで欲しい。
貴方の優しさを感じる度に、私の胸は苦しくて堪らなくなってしまう。
最初の頃のようにだらし無い寝姿のままで居ていいから、どうかありのままの姿で過ごして。
来月になれば、私はここの家政婦を止める。止めたらもう二度と会うこともなくなるから。
………今朝方、所長さんに電話をして頼み込んだ。
来月までで兵藤さんとこの仕事を止めさせて欲しい…とお願いしたら、所長さんは困惑しながらも仕様がないね…と言ってくれた。
(もう少しだから。それ以上の接点は、二度と生まれたりしないから……)
それまではただの雇い主と家政婦でいよう。これ以上のことは、踏み込まないようにしよう。
トマトリゾットの中にポタタ…と涙が落っこちた。
美味しいと思わない食事でも、一緒に食べた後はやっぱり悲しい。
(私にはカップ麺がお似合い。これからもきっと、ずっと独りだけで生きていくんだから……)
兵藤さんが彩さんの思い出を胸に生きているように、私も祖父の思い出を大切に、胸にしまって生きていこう。
(心を彩るような恋に出会いたかったな……)
相手が兵藤さんなら良かったのに……と、小さな声で呟いていたーーー。
下手くそなお世辞だと思いつつも、笑顔を彼に返した。
「良かったです」
ドアに向かう背中を見つめながら、言い知れぬ涙が溢れ落ちそうになった。
決別とは裏腹に思いがどんどん降り積もっていく。
(兵藤さん……)
これ以上私に期待をさせないで欲しい。
貴方の優しさを感じる度に、私の胸は苦しくて堪らなくなってしまう。
最初の頃のようにだらし無い寝姿のままで居ていいから、どうかありのままの姿で過ごして。
来月になれば、私はここの家政婦を止める。止めたらもう二度と会うこともなくなるから。
………今朝方、所長さんに電話をして頼み込んだ。
来月までで兵藤さんとこの仕事を止めさせて欲しい…とお願いしたら、所長さんは困惑しながらも仕様がないね…と言ってくれた。
(もう少しだから。それ以上の接点は、二度と生まれたりしないから……)
それまではただの雇い主と家政婦でいよう。これ以上のことは、踏み込まないようにしよう。
トマトリゾットの中にポタタ…と涙が落っこちた。
美味しいと思わない食事でも、一緒に食べた後はやっぱり悲しい。
(私にはカップ麺がお似合い。これからもきっと、ずっと独りだけで生きていくんだから……)
兵藤さんが彩さんの思い出を胸に生きているように、私も祖父の思い出を大切に、胸にしまって生きていこう。
(心を彩るような恋に出会いたかったな……)
相手が兵藤さんなら良かったのに……と、小さな声で呟いていたーーー。