『ココロ彩る恋』を貴方と……
『早い段階で切断することをお勧めします。その方が長生きができます』


医師の言葉を無視していた。
その結果、祖父の足はどんどん黒くなっていったーー。



(あの黒さは恐怖だったな……)


墨のように黒かった。
乾燥していない部分がジュクジュクとしていて、見るからに痛そうで堪らなかった。


(あの傷を見てからだよね。どんどん食べれなくなったのは……)


高校の2年生くらいまではポッチャリ体型だった私。祖父の病状が悪化するに従い、食事も喉を通らなくなった。


(おかげでこの最近までカップ麺主流の生活だったよ…)


糖尿病は遺伝する可能性もあると聞いた。
自分がもしも発症したら、祖父と同じように足が腐っていくのではないかと思うと恐ろしかった。


美味しい物なんて食べないに限る。
贅沢な物を食べたって、人生いつ終わるかわからない。

どんな病気を患ってもいいように貯金をしておこう。
長い入院期間が訪れても、困らないようにしよう。


およそ若い女子が考えない様なことをいつも思ってばかりいた。

オシャレもメイクもお金をかけずに、それなりにしていればいい。
自分のことを好きになる人なんていない。
一生独りで暮らし続けていくんだからーーーー。



(………だけど、今は此処に居る……)


兵藤さんがこの家に住んで欲しいと言ってくれたから。

私が彼を好きだと言ったから。


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