『ココロ彩る恋』を貴方と……
「ほら、湾曲した触覚を持つ黒い生物が……」
「ああ、なんだ。ゴキブ……っんぐっ……」
思いきり素早く口を手で塞がれた。
「名前を聞くのも大嫌いなんだ。黙って!」
(わかった!わかりましたから離してっ!!)
手をバタつかせながら心の叫びを示した。
兵藤さんは急いで手を離し、「ごめん」と一言だけ謝る。
「…い、いいですけど……そんなことくらいで掃除を?」
日頃の生活ぶりとは、とんでもないギャップを感じるんだけど。
「彼奴らは無敵生物なんだ。床や流しに水一滴でもあったら生き延びられる」
「そんな大袈裟な…。だったらホウ酸団子を作って置けばいいじゃないですか」
「ホウ酸団子?」
「小麦粉の中にホウ酸を入れて団子状にする駆虫剤のことです。祖父が家でやってました。私も一緒に作らせてもらったことがあって……」
懐かしい思い出の蓋が緩む。
祖父の店の厨房で作ったホウ酸団子のおかげで、我が家では1匹も姿を見なかった。
「それ、作り方教えて!」
真剣な表情で兵藤さんが詰め寄る。
「い、いいですよ。その代わり、私も聞きたいことがもう一つあります」
「何?」
顔を寄せてくる人に胸が弾む。
本当は私のことをどう思っているかが尋ねてみたいところだけど。
「あの椅子に座ってる時って、何を考えているの?」
「ああ、なんだ。ゴキブ……っんぐっ……」
思いきり素早く口を手で塞がれた。
「名前を聞くのも大嫌いなんだ。黙って!」
(わかった!わかりましたから離してっ!!)
手をバタつかせながら心の叫びを示した。
兵藤さんは急いで手を離し、「ごめん」と一言だけ謝る。
「…い、いいですけど……そんなことくらいで掃除を?」
日頃の生活ぶりとは、とんでもないギャップを感じるんだけど。
「彼奴らは無敵生物なんだ。床や流しに水一滴でもあったら生き延びられる」
「そんな大袈裟な…。だったらホウ酸団子を作って置けばいいじゃないですか」
「ホウ酸団子?」
「小麦粉の中にホウ酸を入れて団子状にする駆虫剤のことです。祖父が家でやってました。私も一緒に作らせてもらったことがあって……」
懐かしい思い出の蓋が緩む。
祖父の店の厨房で作ったホウ酸団子のおかげで、我が家では1匹も姿を見なかった。
「それ、作り方教えて!」
真剣な表情で兵藤さんが詰め寄る。
「い、いいですよ。その代わり、私も聞きたいことがもう一つあります」
「何?」
顔を寄せてくる人に胸が弾む。
本当は私のことをどう思っているかが尋ねてみたいところだけど。
「あの椅子に座ってる時って、何を考えているの?」