『ココロ彩る恋』を貴方と……
その様子を見ながら変に緊張してしまう。
なるべく余計なことを考えないように…と思いつつ中へ入り、ゆっくりと襖を閉めた。


振り向くと兵藤さんは座りもせずに立っている。
座卓とは反対側にある障子を眺めたままで重苦しそうに口を開いた。



「……教えて欲しいんだ」


何を…?と聞き返す間もなく、兵藤さんが振り返った。


「君とお爺さんがどんな生活をしていたか」


「お爺ちゃんと?」


「この障子の貼り方もお爺さんの真似をしたものなんだろう?
森元さんが言ってた、『本当はこんな貼り方をしたら剥がす時が面倒くさいのに…』って。

それでも君はこんなふうに貼った。

余程思入れの強い生活をしてたからだろうと思うけど、それがどんな生活だったか知りたい」


真面目そうな表情で言い出すから、もしかして怒っているんじゃないのかと感じた。

妄想を抱いてこの部屋に来たけど、そうだとすると浮かれている場合ではない。


上目遣いに彼のことを見上げる。
ニコリともしない表情を見つめながら、お爺ちゃんとの生活を振り返った。


「……お爺ちゃんとの生活は豊かでした。豊かと言っても金銭的にではなくて、精神的に…という意味です。

家は定食屋を営んでいて、収入にもバラつきのあるような家庭でした。そんな中でお爺ちゃんはいつも、食事だけは彩りのあるものを出してくれた……」


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