『ココロ彩る恋』を貴方と……
思ってもない事実に愕然とする。
毎日掃除をしていたのに、意識も何もしていなかった。


「それで適当にやって…と言ったんだ」


その適当の意味がわからない。
何も考えてもいなかったからプレゼントすらも思いつかない。


「どうしよう、焦る」


兵藤さんは今日がイブだと気づいていたんだろうか。
昨夜から今朝にかけては、その為に仕事部屋で何かをしていたんだろうか。


「やばい!今日は掃除どころじゃない!」


焦って買い出しに行こうとキッチンへ向かう。
その途中で思い出したことがあり、ハッとして足が止まった。



(…そうだ!あれを贈ろう!)


あれなら材料さえ揃えば直ぐに作れる。
不器用な自分でもこなせる作業だから簡単に終わる。


「後は料理か」


クリスマスだからといって、特別な料理が作れる訳でもなければ調べている暇もない。

昔祖父が作ってくれた料理のことを思い浮かべながら出歩き、自分でもできる物はないか…と練った。


兵藤さんへ贈ろうと決めた物の材料は直ぐに買い集められた。
後は夕飯の材料を買って、家に帰ればいいだけだ。


「そうだ、ケーキは!?」


甘党でもない人のことを考えてケーキはどうすればいいんだ…と迷う。
小さい物でも用意をした方がいいけど、生クリームとチョコ、どっちが好き?


「う〜〜ん、わからない…」


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