甘い恋じゃなかった。









目が覚めた。


アラームではなく、自然に目が覚めた。



…今日は、何曜日だろう。


布団の中、寝ぼけた頭で考える。



確か昨日は土曜日だったから、日曜日のはずだ。ということは、仕事は休みだ。よかった………





いやいやいや、よくなーいっ!!





いつも通り二度寝を決めかけたところで、慌ててガバッと飛び起きる。


私の昨夜の記憶が正しければ、昨日私は桐原さんと、桐原さんと、その…




「おー、起きた?」




その時、噂の桐原さんの声が!


は、と顔を上げると、キッチンからフライパン片手に私を訝しげに見ている!!




「全裸で何固まってんだよ」


「は?ぜ、ぜんっ…」



そこで私ははじめて自分が全裸であるということに気付いた!




「うわぁぁぁぁぁ!!!」




悲鳴をあげて布団に再度もぐりこむ。



服は、服はどこ!?


分からない。何せ桐原さんが脱がし…




「おいいつまで寝る気だよ?」



その時布団がめくりあげられ、ニヤ、と桐原さんが怪しい笑みを見せた。

変態悪魔がいる、と思った。



「うわぁぁぁぁ!!!」



とりあえず、変態悪魔の顔に枕を思い切り投げつけた。




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