人事部の女神さまの憂い

「そう、今から。ていうか、ゆりちゃんち着いたよ」

そう言われてびっくりして、マンションがある前方を見ると、前回送ってもらった時に乗った黒のおおきなSUVが止まっている。

予想もしていなかった展開に着いていけず、思わずスマホを耳に当てたまま、その場で動けなくなっていると

「あ、みっけ」

スマホ越しに、楽し気な声が聞こえてきてゆっくりと車が近づいてきた。

なおも動けない私の横に車を付けると、窓を開けて

「とりあえず乗ってよ」

と柏木さん。

「いや、明日も仕事ですし・・・」抵抗すると

「そんなこと言ったら、俺なんてドライブできなくなっちゃうよ。いいから、いいから」

内側からドアを開かれ、視線で中に促された。


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