人事部の女神さまの憂い
「すみません、お待たせしちゃいましたね」
そう言うと
「いや、大丈夫。いこっか」
この前も乗った柏木さんの大きな車まで手を引かれた。
「店、家から近いから、車置きにいったん家戻っていい?」
車に乗ってすぐに、そう聞かれた。
「大丈夫です。お家から近いってことは、よく行かれるんですか?」
「そう。俺、タイ料理好きで。そこ、すごいうまいの。あれ、ゆりちゃんタイ料理大丈夫だった?」
そこで、初めて私がタイ料理が好きかもわからないことに気付いたようで、思わず笑いが漏れてしまった。