人事部の女神さまの憂い

「それ香織さんが何年か前の誕生日にくれたんですよ」

とりあえず返事はしたものの、冷静を装えたかが心配だ。

でも藤木さんは全然気づいていないように

「香織のセンスか。さすがだなー。でも独りもんのニシユリにペアグラスはちょっとかわいそうだな」

私のことをバカにしてくる。

その態度に、さっきのトキメキを返せと思いながらもほっとしつつ自虐的な気分になってきた。

「早く一緒に飲む人見つけな、ってくれたんですけど、ほぼ使う機会なしでしたね」

不貞腐れながらも、お皿にオツマミ盛り合わせてソファーの前のテーブルに置くと、「お、うまそうじゃん。はい」
ちょっと機嫌を伺うように焼酎の入ったグラスを手渡された。


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