人事部の女神さまの憂い

ありがとうございます、とグラスを手にした途端、ふわっとした焼酎の香りにびっくりした。

「なんですか、これ。色も。ウイスキーみたい」

グラスを少し上にかざした後に一口飲むと、その口当たりもまろやか。おいしい、と頬が自然に緩む。

「だろー。俺、前に出張行ったときに飲ませてもらったんだけど、これ初めて飲んだ時感動したんだよ」

なぜか藤木さんが自慢気にしている。

「これ、初めて飲みました。ネーミングが微妙なんで頼みづらくて」

苦笑いしてみせると

「たしかに。1人で飲んでるだけでも、ドン引きなのに、どんだけ淋しい女なんだって思われるだろうなー」

ケラケラとバカにしたように笑われる。


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