人事部の女神さまの憂い
せっかく美味しいお酒飲んでるのに、と思って想像を振り払うように頭をフルフルと振っていると
「まぁまぁ、へこむな」
という声とともに、藤木さんの手が頭に降りてきた。
さっきの、わしゃわしゃかき回す感じではなくって、ゆっくり撫でてくれるその手が優しい。
それが心地よくって目を閉じると、一気に眠気が襲ってくる。
「藤木さん、やばい。
―――――――――――眠いです」
もうこのまま寝ちゃいたいくらいだし、帰ってくれないかな、と思いながら言うと
「いいよー。俺、もうちょっと飲んでるし」
信じられない言葉が頭上から聞こえた。
「えっ、帰る気なしですか!?」