人事部の女神さまの憂い

眠い目を必死で開け藤木さんを見ると、楽しそうに笑っていて

「お前、ほんとに寝そうだな。ベッドまで運んでやろうか」

なんでもないことのように、とんでもないことを言ってくる。

キっと目を細めてにらむと、あははと声を出して笑いながら

「ニシユリのくせに警戒してんのー?大丈夫、大丈夫。襲わないって」

頭にポンポンと手を置いて、それでもなお焼酎に口を付けている。

その姿をみると、この暴君に逆らっても無駄だなという気にもなってきて、手に持っていたグラスをテーブルに置いて立ち上がった。

「じゃあ、遠慮なく寝ちゃいますよ。適当に飲んで帰ってください」


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