人事部の女神さまの憂い
SMHの社長に連れられて店に来た時点で、原田さんは何の話で呼び出されたかを察していたらしい。
どうやって言いくるめたのか詳細は教えてくれなかったものの、原田さんのところの社長の前で
「ニシユリからは手を引く」と約束をさせた、と。
なので、今後つけられる心配はないだろうし、もしあったら、あっちの社長にすぐに連絡がいくようにしている、とのことだった。
原田さんは社長にかわいがられているようで、事情を知った社長は一緒に頭を下げてくれたらしい。
私の軽率な行動から、むこうの社長にまで迷惑をかけてしまったことが申し訳なくて
「なんだか、本当にすみません」
謝罪の言葉しかなかった。そうやって小さくなる私を笑いながら
「まぁ、なんか困ったことがあったら俺に連絡しろ」
言いながら藤木さんは、最初に言った通りすぐに帰っていた。