人事部の女神さまの憂い

SMHの社長に連れられて店に来た時点で、原田さんは何の話で呼び出されたかを察していたらしい。

どうやって言いくるめたのか詳細は教えてくれなかったものの、原田さんのところの社長の前で

「ニシユリからは手を引く」と約束をさせた、と。

なので、今後つけられる心配はないだろうし、もしあったら、あっちの社長にすぐに連絡がいくようにしている、とのことだった。

原田さんは社長にかわいがられているようで、事情を知った社長は一緒に頭を下げてくれたらしい。

私の軽率な行動から、むこうの社長にまで迷惑をかけてしまったことが申し訳なくて

「なんだか、本当にすみません」

謝罪の言葉しかなかった。そうやって小さくなる私を笑いながら

「まぁ、なんか困ったことがあったら俺に連絡しろ」

言いながら藤木さんは、最初に言った通りすぐに帰っていた。


< 341 / 471 >

この作品をシェア

pagetop