人事部の女神さまの憂い
そんな様子を見たら、柏木さんにとってこないだの出来事なんてなんてことなくって、やっぱりそもそも私が誰とどうしてようと興味なんてないんだろうなって思えた。
うん、やっぱりこれが現実だ。
引き際は、ちゃんとわきまえないと。
そう心に決めると、自分の中で精一杯きれいに見えるように笑みをつくった。
「とんでもないです。巧のこと、今後ともよろしくお願いします。お引きとめしてしまって、すみません。では」
軽く頭を下げ、藤木さんの腕をひっぱって柏木さんたちに背を向けた。
最後くらい、キレイだって思ってもらえたかな。
でも、あんな美女には対抗できないか。
一人でそんなことを考えがらも、おいって戸惑うような藤木さんの声が耳に入る。
でも、これ以上あの場にとどまっていることなんてできなかった。