人事部の女神さまの憂い

何のことだろうと考えていると、私に言い聞かせるようにゆっくりと話始めた。

「あの時、俺もイラッとしちゃって突き放しちゃったけど、すぐに連絡くれるだろうって思ってた。あの男、どういう関係かはわかんないけど、ちょっと危なそうな感じだったし。俺、ゆりちゃんが他の男とどうこうとかって心配はしてなかったよ。そういう子じゃないってわかってるし。

 でもさ、ゆりちゃんは違ったんじゃない?俺のこと信用してないでしょ」

ガツンと頭を殴られたような気分だった。

「信用してない」そう言われたら何も言い返せない。

柏木さんが私のことをどう思っているのかわからない、ってずっと思ってたけど、それって結局信じてないってことなんだ。あの時も柏木さんに誤解を解きたいとは思ったけど、柏木さんを頼るって選択肢は私にはなかった。パーティーで隣に並ぶ美人さんを見た時も、「やっぱり」って思っちゃった。


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