人事部の女神さまの憂い

「ここからは宿題ね。
 ゆりちゃんが、本当に欲しいものは何---?

 少なくとも俺は、ゆりちゃんが欲しいって思って、俺のものにしたつもりだったよ。でも、ゆりちゃんは違ったんだよね。ゆりちゃんから連絡が来ないなら、もう終わりでも仕方ないなって思ってた。ゆりちゃんと会っても、ゆりちゃんが何も言わないなら、これまで通り楽しいだけのお気楽な関係を続けてこうと思ってた。

 でも――――――――。

 それ以上を望むなら、ゆりちゃんも本気でとりにきてよ」

そこまで言って、時間がかかってもいいから答えが出たら教えて、と送り出されてしまった。


途中から、もう何も言えず、何もできず、ただただ柏木さんに促されるままに、頷いて部屋を出てくることしかできなかった。



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