人事部の女神さまの憂い

まるでお母さんみたいだなと思ってみていると、その視線に気づいたのか、うふふと笑って

「ね、かわいいでしょ。それで言うと私もしっくりくるんだよね。まぁさ、なんか悩んでるみたいだけど、あんま考えすぎないことよ。きっとさ、ゆりもわかる時がくるんじゃない?この人だけは手放したくない、みたいな感覚とかもね」

本当に愛おしそうに立花さんを見る姿は幸せそうで、うらやましくなってしまう。

私が本当に悩んでいるのが伝わったのか、いつもは根掘り葉掘り聞いてくる香織さんも今日はそれ以上何も言わずにいてくれた。

その気遣いに感謝しつつ、香織さん宅を後にした。



「もうちょっと飲んでいきます?」

「あー、いいの?」

「今さら気遣ってるんですか?実家帰った時に、藤木さんが好きなソバ焼酎買ってきましたよ」

「お、やるじゃん。じゃあ、遠慮なく」

香織さんと立花さんの幸せムードにほっこりしたものの、このまま1人になると落ち込んじゃいそうで、いつものように家まで送ってくれた藤木さんを誘って飲むことにした。

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