人事部の女神さまの憂い
それから
繁忙期に入り忙殺されている残業の合間や、家に帰って眠りにつくまで、ぼんやりと柏木さんについて考えを巡らせるけど、まだはっきりした答えをみつけられずにいた。ただワタルが言っていた「満たされる」という言葉がずっと心にひっかかったまま。
柏木さんといて、抱き合っている時は満たされていて幸せだなって感じたりもしていた。だけど、その分抱かれたりないと不安だったし、朝になっちゃうとそんな気分は飛んで行ってしまっていた。だから、きっとあの時感じていた「満たされる」っていうのと、ワタルが言っていた「満たされる」ってまた別のものなんだろうなって。
私が欲しいものはなんなんだろう・・・。
そんなことを考えながらも、だんだん柏木さんの温もりを思い出せなくなってきていた2月のある日。
「久保くん、ごめん。今日の打合せ、リスケか後で電話ででもいいかな?」