人事部の女神さまの憂い
素敵だなって思った人に、素の状態の自分で甘い言葉をささやかれて、これまでなかったくらい熱く求められて舞い上がってた。
たしかに好きだって思ってた。
だけど、なんか強烈に吸い込まれるような感覚で、自分の足で歩いてなかったんだ。
だから、吸い込んでくれる柏木さんの熱量がないと、私はそこに佇んだまま、それ以上は近づいていけない。自分の足で歩いては近づこうとはしてなかった。
きっと柏木さんはそんな私に気付いていた。
私が本当に欲しいもの。
自分の足でちゃんと歩いて取りにいきたい手。
ぼんやりと浮かんだ姿に、この前から感じていた自分の気持ちを突きつけられたようでこわくなった。